M's last diary

自分について知っているニ三の事柄

日記

孤独について

孤独には慣れていた。 しかし、このところ妙に胸がざわざわとする。 それは恐らく、まだ業界に中途半端に足を突っ込んでいるからだろう。 もう業界から手を引きたい。そんな風に思うのだが、中々それが出来ない。 未練などはないつもりだが……。 本当に新しい…

引っ越しは人生を変えるか?

子供の頃には親の事情で人生が変わる。 小学校の頃は転校が多く、延べ4つの小学校に通う事になった。転校の度に自分の環境、友人関係などは大きく変わった。その経験がその後の人生にどんな影響を与えたのかは良く判らないが、3年から5年周期で人生は変わ…

ありきたりな結末

「思い出補正」などという言葉がある。 誰が言い出したのか知らないが、昔観た作品や体験した出来事が、自分の中で必要以上に高く評価されてしまう事を言うらしい。実際はそれほどの事でもないのに、思い出によって補正されているという訳だ。 昔好きだった…

生まれ変わったら結婚しよう

「生まれ変わったら、結婚したい」と若い女の子に言われた。 「生まれ変わって俺が虫になってたらどうすんだ? キャーって悲鳴を上げて、叩き潰すんだろ?」 などと言って混ぜっ返したが、それで良かったのか? 30以上も年が離れている女の子にそんな事を言…

誰が英雄なのか?

織田信長と濃姫の映画を観た。 話題作であったが、退屈な作品だった。 そもそも、織田信長には興味がない。何故、彼が英雄の様に扱われているのか理解出来ない。 彼の物語は有名なので、それなりに知識はある。それをベースにした映画や演劇、小説なども知っ…

同窓生には会いたくない

同窓会には出ないと決めてから随分と経つのだが、その禁を破って参加してきた。 最近、世話になった人が上京して来たし、少人数なので、同窓会というほど大げさな会でもないと思い、これくらいなら良いだろうと思ったのだ。 結果としては、「やはり行かなけ…

インターネットはいらない

携帯電話とインターネットのなかった頃に戻りたい。 以前よく言っていた言葉だ。 正直、今でもそう思う事がある。 便利になったことは確かだ。私もその恩恵にあずかっている。しかし、煩わしくなったことも事実だ。 「人とつながっていたい」という欲求も判…

映画『生きる』のリメイク

黒澤明の『生きる』のリメイク、『生きる Living』を観た。 はっきり言ってガッカリした。 『生きる』はこれまでにも何度もリメイクの噂があった。アメリカのスコセッシ監督がリメイクを考えているという話も聞いた。黒澤監督がご存命の頃から、リメイクの噂…

好きになれない人

好きな人に好きだと言うのは難しいが、嫌いな人に嫌いだというのは、もっと難しい気がする。 相手は昔の同級生で、同級生である事は確かだが、大した思い出もなく、友達だと思ったこともない。しかし同級生=友達と思う人もいるようで、彼がまさにそんな感じ…

映画について

長い間準備をしていた映画がやっと公開になった。 これはこれでとても嬉しい。評判も良く、大手メディアでも取り上げられて、客入りも悪くない。素晴らしい事だ。 しかしこれも既に終わった事だ。次に向けて何かを準備しなければ……。 最近つくづく思うのは、…

少年の日の自分に負けない

高層ビルの下を歩いてたら、前を行く人たちがある地点に来ると進路を急に変える。 何だろうと思って、その地点まで来ると、道の真ん中にネズミの死骸が……。 思わずそれをよけて通り過ぎた。 数歩過ぎたところで立ち止まった。 少年の日の記憶がフラッシュバ…

バースデイライブ

バースデイライブをやった。 ほぼ満席。 思ったよりも多くの人が来てくれたのは嬉しかったが、複雑な思いもある。 「元気ですね」と言われたり、「あと10年は大丈夫だよ」などと励まされたりする。 それはそれで有難いのだが、その言葉の裏側には、「もうそ…

ギターを弾くホームレス

ギターを弾くホームレスがいた。 珍しく、まだ若い男のようだった。 腰まである長い髪に、ニット帽をかぶっていた。 最初の頃は毎日の様に弾いていたが、 次第に弾かずに寝ている事が多くなった。 ある晴れた日、久しぶりに彼のギターが聞こえた。 別に上手…

友達と仕事仲間

母の遺品を整理していたら、父が定年退職した時に会社の部下や同僚からもらった色紙が出て来た。 「先輩、また飲みましょう」「今度またゴルフに誘います」「たまには会社に顔を出して下さい」そんな言葉が書き込まれている。中には「不倫の相手はあたしで」…

壊れてないなら修理はするな

「壊れてないなら修理はするな」というのは確かイギリスのことわざだったと思う。 最初に耳にした時には意味が判らなかった。 よく考えると大きく頷く事ばかりだ。 「上手く行っている物事を、より上手くいく様に手直しすると、かえってダメにしてしまう事が…

引っ越しは人生を変える

人生を変える最も簡単な方法は「引っ越し」である。 と誰かが言っていた。 大学を卒業して実家を出たのが四十年前。 その時から今までに7回引っ越しをしている。 確かにその度に大きな変化があった。 新しい生活があり、 新しい刺激があり、 新しい出会いが…

自分に縛られる

自由でいたいと思っても いつも何かに縛られている 社会や世間のせいではなく 自分自身に縛られている 過去は忘れたと言いながら 昔の写真を捨てられない 楽しい思い出ばかりじゃないのに 昔の記憶に縛られている 誰かを欲しいと言いながら 人に会うのを恐れ…

同調圧力

同調圧力という言葉はどこから来たのだろう。 英語だとピア・プレッシャー(peer pressure)と言うらしい。 これに誰かが日本語を当てはめたと考えるのが妥当だろう。 この手の用語は外国から来る事が多い。 ハラスメントやルッキズムもそうだ。 日本に来る…

教師

教師という人種が嫌いだった。 人種という言葉で一括りにしては悪いかもしれないが。 何か共通して嫌なものを持っている。そんな気がしていた。 教師に嫌われていた訳ではない。 どちらかと言うと好かれていた。 贔屓にされたこともある。 こちらから愛想良…

死体と旅する男

トルコ映画を見た。 老人が亡くなった妻の亡骸と共に旅をして、故郷を目指す。 孫娘が旅の友だ。 二人は殆ど会話をしない。共通の話題もない。 老人は頑固だ。 周囲に止められ、警察に違法だと言われても、妻の亡骸を故郷に運ぼうとする。 地味でシンプルだ…

孤独は悪くない

「一人ぼっちは孤独じゃない」と何処かの女優が言ったとか……。 彼女の言いたいことには概ね賛成だけど、その言葉には「孤独=悪い事」みたいな前提を感じる。 「孤独はそんなに悪い事じゃない」 自分としては、こういう言い方の方がしっくりくる。 入園直前…

父と息子

父に似ていると言われると、あまりいい気分がしない。 昔からそうだった。 「あら、お父さんにそっくり」などと親戚や父の友人に言われると、子供心に嫌な気分になった。 何故だろう? 別に父が嫌いだったわけでもない。 かと言って大好きという訳でもなかっ…

般若心経

母の納骨は無事に終わった。 立ち会ったのは、僧侶の他に私一人。 最初に一周忌の法要があり、僧侶が般若心経に続き、いくつかのお経を唱えてくれた。 般若心経は経本を貸してもらって、私も一緒に声を出した。 母は般若心経が好きだった。 一時期、写経に凝…

納骨

明日は母の納骨に行く。 去年は色々な状況があって、納骨をしなかった。 約一年間、遺骨と暮らしたことになる。 その間に母の遺品を整理した。 何でも取っておきたい人だったので、なかなか量が多い。 途中手に取って眺めたり読んだりするので、どうしても時…

昔の写真

昔の写真をごっそりと捨てた。 なんだかスッキリした。 卒業アルバムや成績表はとうの昔に捨ててしまったが、あの時と同じ、いやそれ以上の解放感がある。不思議なものである。 震災などの時、思い出の品が消えて悲しむ人もいるが、それを機に生活が一変し、…

怒り

思えば子供の頃から心の中に怒りがあった。 世間に対する怒り。学校に対する怒り。家族に対する怒り。そして自分に対する怒り。 それをどうコントロールするか、それが大事だった。 特に小学校中学校の頃は、それが日々のテーマだった。 いや、その頃はコン…

ノラ・ジョーンズ

ノラ・ジョーンズを聞きに行った。 場所は日本武道館。久しぶりのコンサート鑑賞だった。 コロナの影響はだいぶん薄れて、会場はほぼ満席。 ノラの声は柔らかくも、力強く、独特の魅力がある。 素敵なコンサートだった。 椅子は堅かったが、時間もそれほど長…

自由は孤独

昔から感じていた事だが、本当の自由は孤独と抱き合わせだ。 父が死に、姉が死に、去年母が死んだ。 姉の死は予想外に早く、自然な順番からすれば母が先に死ぬはずだった。人生は何が起こるか判らない。 私の家族は四人だったが、三人が死に、私一人だけが残…

カラヤン

カラヤンのベートーベン交響曲全集を買った。 学生時代、ベートーベンのシンフォニーは全部持っていた。勿論それはレコード盤でほとんどが中古だった。指揮者も楽団もバラバラだ。 今回、初めて一人の指揮者の全曲集を買った。ボックスセットになっている。 …

ダイアリー

ダイアリーというくらいなら、毎日書かなければならないのか? と思いつつも別に書くこともなし。 というのは嘘だ。 本当は日々思う事はある。 しかし書くほどの価値もない。と思ってしまうから書かない。 今の最大の関心事は、古い書類を処分する事。 古い…