子供の頃には親の事情で人生が変わる。
小学校の頃は転校が多く、延べ4つの小学校に通う事になった。転校の度に自分の環境、友人関係などは大きく変わった。その経験がその後の人生にどんな影響を与えたのかは良く判らないが、3年から5年周期で人生は変わって行くものだと刷り込まれた様な気がする。
大人になると自分の転機は自分で作らなければならない。就職、結婚、転職など人生の転機は様々だ。引っ越しもその一つのような気がする。
実際、引っ越しをする度に自分の人生は変化してきた。良くも悪くも……。
いや、総じて良い方向だった気がする。
母が亡くなり、自分の家族は誰もいなくなった。結婚もしていないので全く一人だ。
こんな将来は予想していなかったが、不思議な事に寂しいとか悲しいとかいった感情はそれほど強くはない。
孤独が好きだという事なのだろうか……。
孤独と言うよりはむしろ自由を感じるのか……。
今、再び引っ越しをして故郷を離れた。故郷に対する郷愁は殆どないので、もう戻ることもないだろう。そして新しい生活が始まる。
それは新しい人生、新しい冒険の始まりなのだ。
そう思うと久しぶりに胸が高まる。