昔から感じていた事だが、本当の自由は孤独と抱き合わせだ。
父が死に、姉が死に、去年母が死んだ。
姉の死は予想外に早く、自然な順番からすれば母が先に死ぬはずだった。人生は何が起こるか判らない。
私の家族は四人だったが、三人が死に、私一人だけが残った。
こんな未来を、子供の頃には想像しなかった。
一人になるのは孤独かもしれない。しかし同時に自由も感じる。
家族と言う厄介なものから、逃れられたのだ。
そう解釈する事も出来る。
中学の頃だったと思うが、家出に憧れていた。
この家を飛び出し、一人で生きてみたい。そんな事を思っていた。
今図らずも、それに近い状況にいる。
自分で家族は作らなかった。
色々な理由があるが、今思うと、それは自ら望んだ事だった。
家族から逃れたかった。そんな思いが心の底にあったのだ。
何故そんな風に思ったのか。それは自分でも判らない。
ただ、今一人になって、果てしない自由を感じる。それも本当だ。
ずっと、これを望んでいたのだと実感する。
そして同時に、底なしの孤独も感じるのだ。