M's last diary

自分について知っているニ三の事柄

死体と旅する男

トルコ映画を見た。

老人が亡くなった妻の亡骸と共に旅をして、故郷を目指す。

孫娘が旅の友だ。

二人は殆ど会話をしない。共通の話題もない。

老人は頑固だ。

周囲に止められ、警察に違法だと言われても、妻の亡骸を故郷に運ぼうとする。

地味でシンプルだが、力強い映画だった。

 

私も母の遺骨と旅をした。

助手席に母の骨壺を乗せ、シートベルトをかけた。

母と二人でいろんな場所にドライブをした。

その時も母は助手席にいた。

今は遺骨となっている。

4時間かかって、父の故郷についた。

父の眠る墓に、母の骨壺を収めた。

帰り道、助手席には誰もいない。

母と最後のドライブだった。