M's last diary

自分について知っているニ三の事柄

『禁じられた歌声』

『禁じられた歌声』という映画を観た。

2014年の公開されたこの映画を知らなかった。

イスラム過激派に占拠された西アフリカのマリ共和国ティンブクトゥの話。

イスラム過激派の支配は厳しく、女性は肌を見せてはいけない。靴下と手袋をしなくてはいけない。人は歌を唄ってはいけない。それに違反した者には厳しい罰則がある。

そんな中、街から少し離れた場所で平和に暮らしている一家が、あるトラブルに巻き込まれ、父親が死刑を宣告される。

砂漠の中にある素朴な暮らしを見ていると、随分と昔の話にも見えるが、人々は携帯電話を使い、イスラム過激派はトヨタピックアップトラックに乗っている。今現在の話なのだ。そして、描かれるエピソードは、殆どが実際にあった事件を元にしているらしい。

牛追いをする少年、網を使って魚をとる漁師、砂漠の中に建てられたテントで暮らす一家。

その中をAk47を構えたイスラム過激派が闊歩する。美しくも、理解しがたい世界だ。

宗教は一体何のためにあるのか? そんな事を改めて考えてしまう。

演出、演技、技術は一流で、フランスのセザール賞を取ったのも納得の素晴らしい作品である。